ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除され、自治体によって返礼品を受け取ることができる制度です。
平成20年に控除を受けた人は約33000人だったのが、平成26年では約43万5000人になり、金額では約18億円から約184億円に激増し、より多くの人々の関心を集めるようになりました。(総務省HP)
ここでは、現状のふるさと納税で受け取れる返礼品が納税者の希望に合致しているか、納税者はその他何に期待をするのか、AIポジショニングマップを用いて検討します。対象は2015年12月のツイートのうち地名に言及した約4000件としました。
北海道では…
単語ランキングで最も上位にある地名は北海道でした。動物愛護センターについて言及するものもありますが、たらこ、ハム、ソーセージなど食べ物についての言及がきわめて多く、私たちが北海道について持つ「食べ物がおいしい場所」というイメージと合致するのではないでしょうか。
北海道について言及するツイートのうち、ネガポジ値0のデータが189件と最も多くなっています。ネガポジ値が1以上のツイートが合計100件あり、ネガポジ値が−1以下のツイートが8件しかないことをみると、ネガポジ値がプラスに振れる内容が多いことが見て取れます。
山形県では…
都道府県名のうち単語ランキングで北海道に続いたのは山形県でした。
山形県に言及するツイートには、酒や牛肉、米がもらえることをいうものが見られました。山形県のイメージ通りのものと言えますが、パソコンやハードディスクは山形県のイメージとは合致しません。その土地の名産であるか否かはさておいて、ひとまず納税者の興味を集めることを意識しているものとも考えられます。
他にどのような返礼品が注目を集めているか?
中には、たくさんの返礼品をもらえたことをよろこぶ、画像つきのツイートも見られました。これをもとに類似検索してみると、北海道南幌町についてのツイートから、長野県阿南町の画像つきで返礼品を紹介するツイートが浮かび上がってきました。
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納税者が求めているものとは?
納税者は魅力的な返礼品を求めているのはもちろんですが、それにとどまらず対応面にも一定程度期待があるようです。
これを類似検索にかけてみると、返信封筒の問題や、申請書が届かなかったり、電子申請の良さをいうツイートも見られました。
場所×食でポジショニングマップを作成
X軸を「移動」、Y軸を「食」としてポジショニングマップを作成しました。ここでは一例として島根県を見てみましょう。
例えば島根県では、鯖寿司や、はちみつなどが返礼品としてあるようですが、いずれも「おいしい」と表現して、良い印象を受けた旨に言及していました。
言及するツイート数は多くありませんが、感情をあらわにする内容が多く、北海道や山形に隠れてはいますが、穴場的な納税地なのかもしれません。
納税地を選ぶ理由は人それぞれ
ふるさと納税が本来意図する納税地選択の趣旨は、今は住んでいない自分のふるさとに納税したい人の意思を尊重することだそうです。その点からすると、現在地の政治が嫌いだからふるさとの町に納税しようとする人は、制度が予定した納税者であると考えられます。
本来の意図とは別に、魅力的な返礼品があるからその地に納税するという意見が多くあるのではないかと考えられ、実際にも、返礼品のアニメグッズやお酒などを喜ぶ人は多いようです。また、税金の用途を指定したいという意見や、地域の条例を応援する意見もありました。