AIポジショニングマップの活用例 失注理由分析
営業効率を上げるためには失注理由の分析が不可欠です。ここでは、某社の失注理由のリストを利用し、失注理由がどこにあるか、加えて他に目新しい情報が見つかるかを検討します。
機能について言及する本文が多いので、文字列検索で「機能」で絞り込みます。一部に「値段」という失注理由が存在することが見えます。
ここで、機能のわりに値段が高く、コストパフォーマンスが低いサービスだと認識されたことが、失注理由ではないかという仮説を立てました。
そこで、「機能」に類似する単語を縦軸に、「値段」に類似する単語を横軸にとり、ポジショニングマップを作成しました。
紫色の円が上に飛び出していて、横方向には特にブレがありません。どうやら紫の製品について、お客様は値段は適正、しかも機能面は相当優れていると認識しているようです。
営業部長であれば、営業マンそれぞれが紫の製品についてどのような説明をしているのか聞き、説明と印象の関連性を確認した上で、そのような魅力的な説明を他の製品についてもしていこうと指示すべきでしょう。
また、企画部では、紫の製品が機能面で著しく高い評価を受けるように、コスト面での評価が著しく高くなるような新商品の企画を考えても良いかもしれません。
また、そのような印象が、営業担当者によって異なっていないかを、今度は競合群を「営業担当」に変更して検討します。
緑色の円の担当者とオレンジ色の円の担当者について右上方向、左下方向に目立った位置取りが見られます。
緑の担当者は、特に機能面でのアピールがうまく、費用面でもよい評価を与えることができている一方、オレンジの担当者は費用面で比較的問題を感じさせないが、機能面での魅力を伝えられていないものとみられます。
オレンジの担当者は今すぐにでも緑の担当者にアピールの仕方を聞きに行くべきかもしれません。
加えて、機能面でお客様の実感をより反映するため、「使い」(使い勝手、使い方など)をY軸に加えて再度ポジショニングマップを作成します。
すると、「使い」がない場合よりも担当者間の差が小さくなりました。これはなぜでしょうか。
理由の一例としては、営業マンがいかに使い勝手が良いと宣伝しても、使った感覚はお客様が実際に使わないとわからないものであるから、営業マンのスキルとお客様の実感とは関係がないとも考えられます。
使い勝手について良い実感を与えるためには、営業マンが実際に目の前で使ってみせるのが必要不可欠なのかもしれません。
営業上手は誰?
◯◯がしたいけれどできないというお客様の本音・ニーズを引き出すのが上手な営業マンは誰でしょうか。
そこで、「欲 OR 足 OR 希 OR 望 OR たい」で文字検索ののちヒートマップを眺めます。X軸を営業担当、Y軸をネガポジ値にしてみると、営業担当ごとに、欲していることについてプラス印象かマイナス印象のいずれの印象を持ったかということがわかります。
比較的マイナスに振れているのは左端の担当者でした。
これは、-2のネガポジ値をとったケースです。希望を聞き出した結果、お客様が、〇〇ができないという印象をしっかり持ったことがわかります。
似たような返事を探してみる
失注理由のメモ欄に、お客様からのお断りメールをそのまま貼り付けるケースがあります。
類似度・重要度ランキングでお断りメールと見られる文章を類似検索にかけると、お断りメールをコピーした内容のメモが残された例を特に抽出できました。