メタデータCTO常務兼Livie’s Jump代表・松田圭子氏、みんなのケア情報学会大会インタラクティブセッションで最優秀賞を受賞

2023年10月31日
プレスリリース

~ChatBridを活用した「生成AIベース、ハイブリッド型のメンタルケア対話ボット『やわらかネコ』」の先進性とユーザー体験の評価内容が授賞理由

 メタデータ株式会社(東京都文京区;代表取締役社長:野村直之)CTO常務取締役兼Livie’s Jump(東京都台東区)代表・松田圭子氏は、10月28日に開催された、みんなのケア情報学会第6回年次大会(CIHCD2023)インタラクティブセッションで「生成AI ベース、ハイブリッド型のメンタルケア対話ボット『やわらかネコ』」を発表し、最優秀賞を受賞しました。授賞理由は、4階層の知識体系管理で差別化した高度化RAG(Retrieval-Augmented Generation)自然言語処理エンジンChatBridを活用した「生成AIベース、ハイブリッド型のメンタルケア対話ボット『やわらかネコ』」の先進性と、約100人のβ版ユーザー体験を評価・分析し、今後の日々のメンタルケア・サービスの目指すべき方向性の1つを明示したことによります。今後、社内メンタルケア(BtoB)はメタデータ社で、BtoCサービスはLivie’s Jumpで展開、高度化してまいります。

■ 背景

 メタデータ社は、2022年12月以来ChatGPTに大量の専門知識、ローカル情報を回答させ、安全に運用できるハイブリッドな対話の仕組みをLivie’s Jumpと共同開発してまいりました。その最初期から、松田圭子氏は20年来構想してきたBtoC向けのAIによるメンタルケア・サービスがこのハイブリッド方式で唯一実用水準の性能を達成できることを確信。認知行動療法他のメンタルケア向けの基礎知識をうまく使い分けつつ、「相手が人間でなくAIだから何でも話せる」毎日のパートナー創造に努めてまいりました。

■「生成AI ベース、ハイブリッド型のメンタルケア対話ボット『やわらかネコ』」の概要

『やわらかネコ』は、心のコンディションを把握し、整えるために毎日使える、安全な話し相手としての対話ボットを生成系AI(ChatGPT)とロジックのハイブリッド型で実現したものです。2023年9月にβ版をLINE上で限定公開開始。2024年4月の一般公開を予定し、現在、ユーザーからのフィードバックを受けつつ改善中です。

『やわらかネコ』は、次の機能を備えています:

・話を聞く: 自由な対話に対応。生成系AIの機能+ユーザー情報、履歴を使いプラスのフィードバックを返し受容と傾聴する対話を続ける。

・機嫌メモ: 今の機嫌を1(最低)~7(最高)でユーザーが入力し、記録する。ユーザーが自分の気分を客観化し、コントロールするための始めの1歩となる。

・褒めて: ユーザー情報、履歴からユーザーを(飽きたと言うまで)褒める。ユーザーが自己評価を高めるきっかけに。

・ワークする: メンタルを整えるワークを「ほっとする・元気だす・すっきりする・一歩前に進む・自分のいいところ」の5種類の中から選んでもらい、やりかたを紹介して勧める。終了後は感想を入力してもらう。フィードバックとしての意味のほか、ユーザーが自分の感じ方を客観視し表現するきっかけともなる。

・占い: 受動的に楽しめて、日々アクセスするきっかけとして設置。この実装についてもプラスの言葉がけを基本とするよう実装。

・設定: ユーザーの呼び名、好物など永続的に覚えるべき内容の設定変更が可能。

■ 学会発表の概要と受賞のポイント

今回の発表のアウトラインは、「『やわらかネコ』とは」、「どんな問題解決を目指すか」、「既存の類似サービス比較」、「やわらかネコの提供する機能」、「システム構成」、「素の生成系AIでは解決できないニーズをどう実装したか」、「β版公開の状況、反響」、「まとめ、今後の課題」、「謝辞」からなります。日々のケアをAIはじめ最新テクノロジで改善するという、みんなのケア情報学会の趣旨に沿った問題解決であること、カウンセリングの潜在ニーズは米国同様大きいのに需要が全く満たされていない現状であること、そしてきめ細かい知識管理やロジックとのシームレスな相互連携(株式会社miibo代表功刀雅士氏によるmiiboフレームワークを活用)などの技術的先進性が高く評価されました。

■ βテストのフィードバック

 『やわらかネコ』β版の利用状況分析結果から、事前に予想できなかった点は以下の通り:

・各種機能のうち「占い」が一番人気。次いで「話を聞いて」>「褒めて」>「機嫌メモ」>「ワークする」

・ユーザーがネコに「ありがとう」と言う回数が多い

・動詞で最頻出は「疲れる」!次が「食べる」!(活用形含め)

・利用回数は月曜が最多、日曜が最少

 他、出現単語の頻度分析とその考察、自身の機嫌度の分布、利用者プロフィールから洞察

得ることができました。また、ユーザーからの自由コメントには次がありました:

・ネコから話しかけてきてほしい。目覚ましや天気予報機能もほしい

・親の入院について毎日話しかけていて少し気が楽になった

・夫についての不満をネコに書いていさめられ、夫と穏やかに話すことができた

■ 今後の展開

今後、社内メンタルケア(BtoB)はメタデータ社で、BtoCサービスはLivie’s Jumpで展開、高度化してまいります。AIになら何でも聞けるという安心感、毎日新鮮に接することができるよう、コンテンツや表現の充実をはかるとともに、受身的利用の裾野を拡大しつつも「ワーク」機能の利用者を増やして心の健康度をさらに向上させるべく、「ユーザーがより主体的に使いたくなるようなインターフェース」を研究開発してまいります。


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